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おしゃべり散歩道2001

広まれセパタクロー エース寺本 世界に照準

 「セパタクロー」という「吉田拓郎」みたいな名前の球技を知っていますか?
 簡単に言えば、足を使ったバレーボール。アクロバットのような空中戦の多さが特徴で、タイとマレーシアで盛んです。
 さて今春、日本のセパタクロー第一人者の寺本進さん(25)が「世界のテラモト」を目指してタイに武者修行に出かけます。寺本さんは小学生のころからサッカーに親しんできました。それが、山陽高校サッカー部の三年生の夏、地元広島県で「広島アジア大会」が行われ、このとき、彼はセパタクローと運命的な出会いをしたのです。
 セパタクローは大会種目にあるのに、開催地にチームがない。そこで、大会関係者はサッカー選手の寺本さんに助けを求め、急きょ出場することになったのです。
 彼の体の柔軟性、手足の長さは関係者をうっとりさせました。寺本さん自身もタイの選手の「華麗で豪快な足技」に驚き、とりこになったのです。そして、亜細亜大学で本格的にセパタクローを始め、今や日本のエースです。
 こんな寺本さんがタイへの出発を数日後に控えたある日。スポーツライターの青島健太さんの紹介で、お会いするチャンスに恵まれました。
 思っていた通り、長身で整った顔立ちの好青年です。彼の話を聞いていて感じたことは「強くなりたい!」という気持ちと同時に「少しでも多くの人たちにこのスポーツを知ってもらいたい」という使命感にあふれていることです。
 「まだまだマイナーですから世界大会に出るためにも自分でお金をつくらなければいけません」と話す寺本さんは、大学卒業後も「亜細亜大学セパタクロークラブ」で後輩たちの指導をし、アルバイトなどで生計を立てながらの競技生活です。
 それでもセパタクローにすべてをかけようとするのは、「絶対にオリンピック種目になる」と信じているからなのです。そして、「次の世代の人たちがよい環境の中で競技できればいい」と熱い胸のうちを語る寺本さん。心から応援したい。頑張って!

(共同通信)

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