ボルダーで有森裕子さんと
アメリカ・コロラド州・ボルダーで有森裕子さんと再会! 世界陸上の取材で訪れた際、ボルダーに住んで3年目になる有森さんに「会いたい!」と電話を。すると、赤いボルボを走らせて迎えに来てくれたのです。
「家の中でネンザしちゃった!」と笑う有森さん。日焼けした顔が大きな目をいっそう輝かせてみせました。先ず、二人でマークさんというスポーツトレーナーの所で治療へ行くことに。治療院の前まで来ると、そこをローラースケートで通り過ぎようとした背の高い男性が有森さんに気づき「ヘーイ、ユーコ」と。それから二人は5分間位、会話。隣で私は、彼女のペラペラの英語にただただ感動! 話す雰囲気もすっかり“アメリカ人”なのです。
「彼は誰?」と尋ねると、(ご主人の)「ガブのバレー(ダンス)学校のスタッフなの」と彼女。ガブさんは、7月上旬にバレー学校をオープン。今、そこの校長先生なのです。丁度、「サマースクール」の最中で海外から26人の生徒たちがレッスンを受けに来ているとのこと。さっそくスタジオへ。私の顔を見るなりガブさんは、「アケミさん、ユーコが大阪(2000年国際女子マラソン)を走った時、(解説で)ボクがのんきにお茶飲んでいるって言ったでしょう」と、人なつっこい笑顔で笑わせるのでした。この日、ガブさんは実技指導の後、バレエの歴史の講義を90分と大忙し。それから有森宅へ。それが、もうため息ものなのです。
小高い丘の上にある大きな家にはプールもあり、お部屋もいっぱい。どの部屋にもアンティークの置物や有名な画家の絵。2人の家族の写真が飾られています。ボルダーで合宿する日本の選手たちもたまに有森さんにお食事に招かれるようです。きっと皆、「がんばればこういう環境が得られる!」と夢を追いたくなることでしょう。ふと、有森さんの机の上に目をやると、人見絹枝さんの写真と、「心に太陽を」とお父さんからのサイン色紙が大切に置かれていました。胸一杯の一日でした。
(共同通信)
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