かくならサラッと良い汗
夏、汗飛び散る季節。ビールもおいしい! でも、スポーツ選手にとっては、燃え立つような暑さと戦わなければいけない厳しい季節だ。
暑さに強い人、弱い人の違いはどこか? 一つには「汗のかき方」にあるらしい。
風に飛ぶようなサラッとした汗は「有効発汗」。蒸発する時に体温を下げてくれる良い汗だ。反対に、ベタッと体にまとわりつく汗は「無効発汗」。塩分が濃く、たまにしか運動しない人に多いらしい。
陸上競技の統計に詳しいフリーライターの野口純正さんは、これまでのオリンピック、世界陸上で、競技時の気温が25度を超えていたときの、選手の身体的特徴と記録の関連を調べてきた。
それによると、暑さに強い人には、スラリとした人が多いという。「やせ形の方が体重あたりの体表面積が大きく、熱放射に優れています」
来年のアテネ五輪は特に暑そうなので、選手のスラリ感にも注目してくださいね。
レースでは、体の「冷やし方」も大切だ。最近、ヨーロッパの選手の間ではやっているのは、ネッカチーフ。
単なるおしゃれかと思いきや、熱さましにもなるという。首を冷やすゲル状のものを入れ、脳の温度が上がらないようにしているのだそうだ。走り続ける上で集中力って大切ですもの。
夏まけて 走る選手の 汗涼し
(朝日新聞/2003年6月14日掲載)
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