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おしゃべり散歩道2003

大家族で世界に挑む

 マロニエの葉が赤みを帯びる8月下旬から、世界陸上がパリで開催されます。女子マラソンは最終日の31日。有終の美を飾るのは誰でしょう?
 日本代表5人のうち、2人が天満屋の選手。松岡理恵さんと坂本直子さんです。武富豊監督は「松岡は今回、坂本が一緒なので(気持ちが落ち着いて)入りがいいかも…」。松岡さんは、最初の5キロが肝心の選手。そこを力まずにいけたらスムーズに流れに乗り、後半に持ち味の粘りを生かすことができるのです。
 松岡さんへの期待が大きいからでしょう。監督の評価は辛口です。「まだ自分でレースをつくれない。昨年の東京国際2位も、出場のタイミングによっては勝てたはず」
 この課題克服のため、松岡さんは春から積極的にトラックレースに出場し、自ら果敢に仕掛けることに慣れようとしました。張り切りすぎて、左脚を痛めるというアクシデントに見舞われましたが、そのけがもよくなったようです。
 一方、坂本さんに対する監督の評価は「レース勘と度胸がある。4年後が楽しみな選手」。1月の大阪国際では30キロで仕掛ける積極的な走りを見せ、初マラソン日本最高タイムで3位に。
 「確かに、あそこが勝負どころだった。あの一番きついところで勝負しようと思えたのが収穫ですね」と振り返る坂本さん。大阪国際前の練習では、30キロ以上の距離を走っていませんでした。しかし、今回は40キロ走を数回こなし、脚が一段とシャープになっているとのこと。楽しみです。
 ところで、天満屋チームの特徴は、山口衛里さん、松尾和美さんら、次々と世界的なランナーが生まれていること。確立されたトレーニングと、世界大会に出場する選手のパートナーを務めた後輩たちが、先輩から多くのことを吸収して強くなっていると思います。武富監督は「うちはいつも大家族で世界に挑みますよ」とほほ笑みました。

(共同通信/2003年8月6日配信)

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