世界陸上 大南(敬)さんに期待
欧州の猛暑もようやくピークを過ぎ、23日いよいよ世界陸上パリ大会が開幕します。
女子マラソンは最終日の31日。5人の日本代表選手の中に、大南敬美さん(27歳)がいます。UFJ銀行に所属する彼女は、「最速ツインズ」としても有名な双子姉妹の妹。姉の博美さんも昨年秋の釜山アジア大会で銅メダルに輝くなど、国際的なランナーなのです。
竹内信也監督は「2人は最大のライバルであり、最良の友」と言います。2000年、シドニー五輪の切符を懸けた名古屋国際には2人そろって出場しました。
しかし、絶好調だったはずの博美さんが、給水ポイントのたびに、「敬美はボトルが取れたかしら? スポンジは?」と、心配しキョロキョロ。敬美さんがボトルを取れなかった時は、自分のボトルを渡すなどして気遣い。そのこともあって力を発揮することができなかったそうです。以来、監督は2人を同じレースに出場させることを控えるようになりました。
さて今回、敬美さんは大きな冒険をして大会に臨みます。それは「大きな走り」を意識したランニングフォームの改良。というのも、「ラドクリフ選手(英国、女子マラソン世界最高記録保持者)の足の動きをまねできるのは、日本では敬美だけ」と竹内監督。敬美さんの167センチの身長を十分に生かし切るためには、173センチのラドクリフ選手の走りがお手本になるようです。
楽にスピードが生まれる「大きな動き」を身に付けるために敬美さんは5月から7月にかけて腰、脚力の筋力強化を入念に行いました。また、岐阜・御岳山での合宿中、軽いジョギングの日には、監督がピタッと彼女の横を車でついて「動き」を指示していました。
サポート役の博美さんは「敬美の身長が170センチ以上にみえるランニングフォームなんですよ」と言います。本番が楽しみです。
(共同通信/2003年8月20日配信)
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