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おしゃべり散歩道2005

異国の地で元気もらう

 タイ・バンコク、ルンピニー公園。湿り気のある空気の中に白い涙の形をしたプルメリアの花が甘い香りを漂わせていました。七月中旬、私は夫と1週間のタイ旅行へ。四日目のバンコクで朝六時過ぎにルンピニー公園へ走りに行き、あまりに多いランナー達の数に驚きました。朝から気温は28度、湿度70%。高温多湿のバンコクでは走ることとは無縁と思っていたからです。1周2.5kmの公園は若い人から50歳代、60歳代、70歳代と様々。走るスピードも速い人・遅い人、太った人も細い人もいました。また芝生の中では太極拳やエアロビクスをしているグループも。公園前に軒を連ねる屋台の朝食を買い、運動後にベンチで楽しむ姿もあり、活気に満ちた風景がなんて爽やかだったことでしょう。
 その日のお昼はバンコク日本人会・走友会の方々と懇談。皆さん大企業で忙しく働く方ばかりです。さっそくルンピニー公園での光景をお話しすると「そうなんですよ。タイではここ数年で健康意識が急速に高まっているんです」と会長の荒川さん。特にエアロビクスとランニング人口は多いようです。荒川さんは68歳でフルマラソンを4時間台で走ります。数日後にはパタヤ(バンコクから車で南へ1時間ほどリゾート地)のマラソンを走る予定で「自己ベストに挑戦します」と若々しい顔の目が輝くのでした。60歳代後半の栗並さんは年間60回近くの大会に参加。「年齢別(5歳刻み)で表彰してくれる大会が多いので、優勝できそうな大会を狙って出ているんです」と茶目っ気たっぷりです。
 仕事をバリバリやりながら、余暇にはもう一つの生きがいを持って人生を楽しむ姿。花の香り麗しいタイの街で活き活きと暮らす人々との触れ合いが、旅にトムヤムクン以上のスパイスを与えてくれました。

(共同通信/2005年7月20日配信)

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