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夫に支えられロンドン制覇
荘厳なバッキンガム宮殿前をぬけ、カーブを右に曲がるとおよそ200mでゴール。第26回ロンドンマラソン、女子で最初に入ってきたのはディーナ・カスター選手(米国)でした。アテネ五輪で3位に入り、米国に女子マラソン20年ぶりのメダル(ロス五輪金メダルのジョン・ベノイトさん以来)をもたらした彼女。レース前から、優勝候補筆頭にあげられていたものの「私は優勝候補というものは信じない、特にマラソンでは」と冷静に対応。2時間19分36秒という優勝タイムは、世界4位の記録です。
ところで、カスター選手は1999、2001、2003年と世界陸上では10,000mに出場しました。しかし振るわず(11、11、12位)、その後マラソンへの転向を決意したのです。ちょうど同じ時期、元中距離選手で、理学療法士の夫・アンドリューさんと結婚。夫がコーチとなり、それからは2人でアテネ五輪銅メダル、ハーフマラソン米国記録樹立、シカゴマラソン優勝、そして今回のロンドン優勝と順風満帆なのです。
また、今回のレースで自己ベストを2分半近く縮め6位に入った異色のランナー、マーラ・ヤマウチ選手(英国)。彼女の競技生活も夫に支えられています。マーラさんは英国外務省一等書記官で、東京の英国大使館勤務中に現在の夫・山内成俊(しげとし)さんと出会い、結婚。外務省を休職し、いま北京五輪を目指して競技に専念しています。長距離練習は夫の成俊さんが自転車で伴走し、トレーナー役も務めているそうです。
このように、海外では活躍する女子マラソン選手のほとんどが既婚者です。日本でも弘山晴美さん、大島めぐみさん、土佐礼子さんと既婚者選手が増えてきました。マラソンは長期間の準備が必要なスポーツなので、心が安定した状況のなか競技生活を行えるという面で、理想的なのかもしれません。
(共同通信/2006年4月24日配信)
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