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おしゃべり散歩道2006

教育の“土台”を考える

 お盆休み直前、東京・代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターは大勢の人で賑わっていました。「子どもの体力向上実践事業全国連絡会議」に全国から集まった教育関係者たちです。今年が3年間の取り組みの最終年度。この日は9つの地区の実践発表がありました。私は委員として参加しましたが、故郷の“いすみ市”が最初だったので、何だか自分が発表するかのように一番前の席でドキドキしていました。
 さて、本番。九十九里浜の南端に位置する千葉県いすみ市は、海・山・川の豊かな自然を活かし、サーフィン教室や地引網、森のウォーキングなどの活動を映像で紹介。学校・地域・家庭が連携して子供の体力向上に取り組んでいる姿が爽やかで好評でした。とても嬉しかったです。
 他にも東京都世田谷区の“昔遊び体験”や徳島県佐那河内村の“三世代交流活動”など、その土地ならではの工夫に満ちた活動が新体力テストの結果と合わせて発表され、子どもたちの体力向上が進んでいることを知りました。
 発表を聞いた委員長の小林寛道さん(東京大学大学院教授)は「この体力向上への取り組みは、“人間教育”です。体力に影響を与えるのは“運動習慣、生活習慣、意欲、親子関係”で、この4つの要素に地域・学校・家庭が協力し合って取り組むことが大事」と話しました。
 小林さんの話に賛同しながら、私を常々思っていることを発言しました。人間を“木”に例えたら、体力は根っこの部分で、根っこがしっかりと広がり太い幹が育つ。太い幹は意欲であり、そこから枝分かれして学力の向上や人を思いやる心が育まれてくるもの。だから体育は“体を育む”のではなく、“体で育む”ことなのです。
 教育現場での具体的な話を伺い、これからも子供たちが楽しく体を動かせる環境づくりに取り組んでいこうと意欲が湧いてきました。

(共同通信/2006年8月14日配信)

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