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おしゃべり散歩道2006

魔法の芝生に感動

 広島空港から中国山地の中を車で走り、車窓を流れる深い緑にうっとりしていると、エンジ色の石州瓦の家々が緑の麓に現れました。緑とエンジ色の調和が美しい広島県安芸高田市。伝統文化の神楽が根づき、子ども達もその文化に親しんでいます。そしてここは「魔法の芝生」の小学校があることでも全国的に有名です。この日は「第30回広島県小学校体育研究大会」が魔法の芝生の校庭を持つ美土里小学校で開かれ、私は取材と講演のために訪れました。
 前日、丘の上にある宿舎に着き、大会の下見を兼ねて坂を下り美土里小までジョキング。カーブを曲がると、青々とした山々に包まれた芝生の校庭が眼下に飛び込んできました。放課後の芝生上で、6人の子ども達が体操服で倒立や前転を行っています。まるで大自然の中を飛び回る動物のようにしなやかに。体操クラブが練習しているのかと思いきや。
 翌日の研究大会で私の感動は2倍に膨らみました。広島県内から集まった先生方が見守る中、緑の芝生の上では全校生徒175人が体操服に裸足でオリジナル芝体操を披露。1年生から6年生までが混じって8個の輪をつくり、音楽に合わせて倒立やブリッジ、前転、側転を行っています。昨日の子ども達は体操クラブではなく、普通の児童だったのです。
 まだうまく出来ない低学年の児童もいますが、とにかく失敗しても笑顔で何度も挑戦しています。私も裸足になり、校庭の芝生に入ってみました。足に伝わる冷たさが新鮮で、フカフカのじゅうたんのようです。この芝体操を指導した徳永隆治さん(安田女子大教授)のお話では「腕で支える支持感覚や逆さ感覚、バランス感覚などが自然に身に付きます」と。実際、文部科学省が行う新体力テストの結果も全国平均よりかなり高い水準だそうです。正に魔法の芝生の産物。スポーツ好きは環境から、と強く感じました。

(共同通信/2006年9月18日配信)

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