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おしゃべり散歩道2006

注意、ドーピング問題

 ディープインパクトと福士加代子さん(女子3000・5000m、ハーフマラソン日本記録保持者)の誕生日(3月25日)が同じだと知ってから、ディープに親しみを持っていた私ですが、最近のニュースには憂うつにさせられます。10月の凱旋門賞後の引退発表、そして今回のドーピング問題。
 まず引退発表ですが、同じ“走る”でも、アスリートなら自分の引き際を自分自身で決めることが出来ます。例えばプロ野球の新庄選手のように、まだまだ出来ると惜しまれながらも自分の美学として日本シリーズでピリオドを打つ。対照的に桑田選手のように限界までチャレンジしたいと現役にこだわる美学。でも当然のことですが競走馬は自分の意思で引退を決められません。走ることが大好きだと言われれているディープに言葉が通じるなら、“本当の気持ちはどうなの”と聞いてみたい気がします。
 また今回のドーピング問題。まだ原因ははっきりしていませんが、ディープのイメージを汚すことになっているのがとても悔しいです。陸上競技の世界でもドーピング問題で悔しい思いをした選手がいます。100mで日本チャンピオンになったことがある伊藤喜剛選手。彼はアトランタ五輪を前に米・アリゾナで日本代表チームの合宿を行っていました。その最中に国際陸連の抜き打ち検査を受け、筋力増強剤の陽性反応が出たのです。本人は全く身に覚えがなく、潔白を訴え続けましたが、二年間の出場停止処分に。その後、伊藤選手は絶対に汚名を晴らそうと諦めることなく練習を続け、見事国体で優勝したのです。そんなこともあり海外で合宿や試合が行われる際に、選手達は飲食物を自分でしっかり管理するよう指示が出されました。
 ドーピングの濡れ衣を着せられないためにも、本人やスタッフのミス、悪意のある第三者の企てなどに細心の注意を払って欲しいものです。

(共同通信/2006年10月23日配信)

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