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おしゃべり散歩道2011

熊本から世界に

 春を待つ阿蘇山の表情もなんだか明るく見えます。熊本は3月に九州新幹線が開通し、来年には政令指定都市になる予定。それを記念して来春、シティマラソンが開かれます。熊本は大きな市民マラソンの舞台となるにふさわしい場所。なぜなら市民マラソンの父と言われる加地正隆さん(熊本出身・昨年96歳でご逝去)は、医師でもあり「遅いあなたが主役です」というキャッチフレーズで天草パールラインマラソンを1973年に創設。その精神は全国に広がり、健康のために走り始める人たちが増えたのです。また、日本で初めてマラソンで五輪に出場し、箱根駅伝の生みの親でもあるのが熊本出身の金栗四三さんです。
 そんな熊本で先日、第40回RKK女子駅伝が開催されたのです。解説でご一緒したのは、東京五輪女子100m×4リレーのアンカーだった松尾任子さん(旧姓:井口さん)です。肝っ玉母さんのような温かさと大らかさを持つ方で、「私、その年に生まれたんですよ」と話すと「もうそんなになるのね。私は来年古希だもん」と松尾さん。草分け的なこの駅伝に第1回から関わっていた松尾さんのお話によると、最初は女子中高校生の強化を目的とし9チームの参加だったそうです。こんな土壌から松野明美さん(ソウル五輪1万m代表)や川上優子さん(アトランタ・シドニー五輪1万m代表)という日本を代表する選手が生まれたのだと感慨ひとしおでした。市民ランナーの参加もどんどん増え、今年は何と366チーム。
 今春には肥後銀行女子駅伝部が発足します。監督は飛瀬貴子さん(97年アテネ世界陸上マラソン4位)。火の国熊本から再び世界に羽ばたく選手が出てきそうな予感がします。

(共同通信/2011年2月14日配信)

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