選手の頑張る姿が励ましに
東日本巨大地震の被害の様子を報道でみるにつれ涙が出ますが、近くの公園では辛夷が大きな花を開きました。様々なスポーツの大会も中止や延期になっています。その中で3月13日に開催予定だった名古屋国際女子マラソンも中止になりました。今夏の世界選手権の選考レースだったこともあり、そこに照準を合わせていた選手達は戸惑っています。まだ日本陸上競技連盟から発表はありません。私は名古屋に合わせてピークを作ってきた選手達のことを考えると、あまり時間をおかずに走って欲しいと思います。
国内では4月中旬に長野マラソンがありますが、まだ余震や停電の心配があります。選手がレースへ集中出来るかどうかを考えるとそれを選考レースにするのは難しいでしょう。そこで考えられるのが海外でのレースです。4月にはロッテルダム、パリ、ボストン、ロンドンとメジャーレースが多くあります。その中でもロンドンはコースこそ違うものの、五輪に向けて環境に慣れるという面では良い経験になるはず。選手にとって選考がかかっているだけに、目標の舞台が定まることが大事です。日本陸連は早急に決めるべきだと思います。
選手達の中には「このような状況で練習してもいいのでしょうか」と話す人もいます。こんな状況だからこそ、目の前にあることに一生懸命に向かって欲しいと思います。みんなで悲しんでいるよりも、それぞれがへこたれずに前を向いて、力強く歩むことが大切です。被災地へ支援物資が順調に届くようになり、復興へと歩み始めた時、日々精進している選手達が大舞台で活躍する。その姿が励ましになるのだと思います。みんなでがんばりましょう。
志 天に向かいし 辛夷咲く
(共同通信/2011年3月18日配信)
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