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おしゃべり散歩道2011

日本を元気に

 今夏の韓国・テグ世界陸上競技選手権女子マラソンに日本代表として出場する尾崎好美さん。監督の山下佐知子さんは「これまでの日本代表とは全然意味が違うものになった」と話します。今までは日の丸をつけて国際舞台に立った時、日本代表の前に先ずは「我が事」として自分自身の競技力を極めたいという気持ちがありました。しかし、東日本大震災後は「自分の走りで日本を元気にしたいという思いが尾崎はじめ選手達にあります」と山下さん。
 テグ世界選手権の選考レースでもあった名古屋国際女子マラソンが中止となり、出場予定だった選手9名が選考レースとなったロンドンマラソンに急遽エントリー。その中の一人、那須川瑞穂さんは岩手県奥州市出身で、被災した知人もいます。名古屋にピークを合わせていた那須川さんは、その後思うように調子が上がりません。それなのに故郷東北を自分の走りで元気付けたいという思いが強く、その葛藤に苦しんでいます。「大声で泣いたり急に沈み込んだり、なっちゃんは忙しいな」と指導する小出義雄さん。でもロンドンで元気な走りを見せてくれると小出さんも信じています。
 そのロンドンで「Run for Japan」という日本を応援するプロジェクトが行われています。今年2月まで日本を拠点に練習していたマーラ・ヤマウチさんや女子マラソン世界記録保持者のポーラ・ラドクリフさん等が中心となり立ち上げました。4月3日現在で既に300万円超の募金が集まっています。世界のアスリートが日本を応援し見守る中、日本選手にはおのずと注目が集まります。そのプレッシャーも「日本を元気にしたい」という思いも選手達の力になるでしょう。

(共同通信/2011年4月4日配信)

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