攻めの姿勢に元気もらう
明るい緑、濃い緑。雨に濡れた様々な新緑が強風に揺れた5月1日、富士スピードウエイで開催された富士GT400qレースを観に行きました。友人の立川祐路さん(05年08年優勝)を応援するためです。2人が交代で乗るレースですが、今年からチームメイトが若手の平手晃平さん(25歳)に代わりました。現地に着くと、トヨタ、ホンダ、スバルと駅伝でお馴染みの会社名の旗がずらーり、何とも言えない親近感。でも今日は人ではなく車が走ります。どの車にも大きく「がんばろう!日本」というメッセージが。「この1ヶ月半、殆ど練習が出来なかったのです」と立川さんが言うように、震災の影響で4月に岡山で行われるはずの開幕戦が延期になり、ガソリン不足などの影響でレースだけではなく、活動自体も自粛したようです。
それにもかかわらずレースは風雨の中始まりました。フォーン、キュィーンという甲高いエンジン音。次々とスタンド前を時速280キロで走り抜ける車の後ろには高い水しぶきが上がり、後ろの車の視界を遮ります。「前が見えているのかしら」と観ているだけで怖くなるような状況です。11番手からスタートした立川さんは3位まで順位を上げ、平手さんに交代。ここでチームは賭けに出ました。空が明るくなる中、タイヤを溝の深いものから浅いものに変えたのです。ところがその後、雨は逆に強まり、平手さんはスリップして順位を2つ下げることに。レース後、大変でしたねと立川さんに話すと「でも(3位表彰台キープより)積極的に優勝を狙った結果ですから」と晴れやかな表情。苦しい中でも、守りではなく攻めの姿勢で向かう姿にすごく元気をもらいました。
(共同通信/2011年5月2日配信)
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