面白い松山大学の活躍
薫風にそよぐ緑の木々に見守られる中、全国各地で陸上競技のトラック&フィールドが行われています。今、松山大学の活躍が面白い。中四国の対校選手権では高柳恵さんが3000m障害で大学新・ジュニア日本新記録で優勝、1500mでも菊地里江さんが大会新記録で優勝するなど、スカイブルーのユニフォームが明るく輝いているのです。
昨秋の全国大学女子駅伝でも4位に入った松山大は、マラソンの土佐礼子さんとご主人の村井啓一さんの出身校。村井さんは実業団選手として所属していた会社を辞め、4年前に母校に戻りコーチとして指導しています。そんな村井さんに躍進の要因を尋ねると「大西監督が短距離出身なので、走りの基本動作を重視し、それが選手たちの基礎を作っています」と。大西崇仁監督は大学時代、短距離の選手。名城大学でコーチとして女子駅伝部を指導し、全国制覇を成し遂げました。その後村井さんと同時期に松山大学へ。大西さんの短距離の理論、長距離のノウハウを持つ村井さんが同じ時期に結びついたのも縁でしょう。土曜日は土佐さんも選手たちと一緒に練習するとのこと。これも選手たちにプラスに働いているようです。
昨年4月に出産後、来年のロンドン五輪を目指し挑戦を続ける土佐さん。その挑戦にはチームメイトで親友の渋井陽子さんにハッパをかけたいという気持ちがあります。東京で暮らす渋井さんは時々土佐さんを訪ね松山へ。長年、世界の大舞台で戦ってきた二人、渋井さんにとって土佐さんが復活することが一番の励みになるのです。そんな土佐さんを見て、松山大学の後輩達がまたがんばる。みんなが繋がっている大きな家族のようです。
(共同通信/2011年5月16日配信)
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