避難所でロコモ体操
鯉のぼりで有名な埼玉県加須市。旧・騎西高校には福島県双葉町から集団避難する約1050人の方々が生活しています。先日、日本臨床整形外科学会の理事長の藤野圭司さんにお声かけ頂き、避難所へお邪魔し約80人の皆さんとロコモ体操を行いました。
藤野さんは阪神淡路大震災の経験から、避難所生活が2カ月を超えた頃から転んで骨折する人が増えることを危惧しています。また「椅子や手すりがある自宅でも生活するのが大変なのに、広い体育館や教室では立ったり座ったりするのも大変でしょう。次第に寝ている時間が多くなってしまうことが心配です」とおっしゃるのです。ロコモというのは、運動器のこと。人が体を支えたり動かしたりする骨や筋肉などのことを言います。
この日、藤野さんは運動不足が足腰の関節・筋肉の衰えを招き(ロコモ)、転倒・骨折による、ねたきり、要介護の原因となることを説明。それを一日10分間のロコモ体操で予防できると話しました。その後、学会員の石橋英明さんの指導でロコモ体操を。椅子に手を添えて1分間片足立ち、その時「森のくまさん」の音楽が流れました。5番まである歌詞の3番まで皆で歌いながら約1分。足を替えて6番は替え歌で。自然に笑みがこぼれ賑やかな雰囲気に。次は軽いスクワットです。椅子に座るような姿勢でゆっくり膝を曲げるのですが、今度は「大きな古時計」を歌いながら。「おお〜きなノッポの古時計」とここまでで膝を曲げ、「おじい〜さんの〜時計」でゆっくりひざを伸ばします。「歌って体操して楽しかったあ。毎日やって元気に歩いて双葉町に帰らなきゃ」と最高歳者は82歳のおばちゃん。
私の心もモコモコ躍りました。
(共同通信/2011年5月23日配信)
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