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おしゃべり散歩道2011

世界に向かう若手の熱気

 今夏、韓国テグ市で世界陸上競技選手権が開催されます。そのマラソンと競歩の日本代表は決定していますが、トラックとフィールド競技の代表は6月上旬の日本選手権で決定。加えて、代表になるためには世界陸上への参加標準記録をクリアしなければなりません。5月28日、その記録を破ろうとたくさんの中長距離選手が宮崎県延岡市に集いました。旭化成の宗兄弟を中心に行われる「ゴールデンゲームズinのべおか」です。まさに欧州スタイルの競技会で、観客席だけでなくトラックのすぐ脇まで観客が入り、紙の筒で看板を叩きながら選手を応援。お陰で記録が生まれます。
 この日は激しい雨。ライトで照らされたブルートラックがまるでプールのように見えました。男子5000mE組。日本の実業団で活躍するケニア選手に交じり、駅伝で活躍する宇賀地強さん(コニカミノルタ)や佐藤悠基さん(日清食品グループ)らが、参加標準記録Aの13分20秒、Bの13分27秒にチャレンジ。スタートするやいなや凄い勢いで飛ばしました。追い込む彼らに「まだまだ、イケる!」と会場に響く宗茂さんの檄が選手達の背中を押します。激しい雨に選手達の表情は険しさを増し、声援が雨音と競うように響く中、最後の直線でケニヤ選手をかわして先頭でゴールしたのは若手の渡邊和也さん(四国電力)。自己記録を15秒も上回りB標準記録を突破。日本人2位に入った佐藤さんもB標準を突破。宇賀地さんは自己ベスト記録でしたがB標準に3秒及ばず、「悔しい、でもいいレースでした」と満足気。若い選手達がケニア選手に臆することなく一丸となって記録に挑んだレースは自己ベスト続出で、世界に向かう未来の力を感じました。

(共同通信/2011年5月30日配信)

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