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おしゃべり散歩道2011

意義大きいスポーツ権

 スポーツ基本法が6月17日に成立したのを受け、先日、笹川スポーツ財団主催で「日本のスポーツのこれからを考える」と題したシンポジウムが開かれました。スポーツ基本法は東京五輪に向けて作られた「スポーツ振興法」からちょうど50年振りのもの。大きな違いは障害者スポーツの推進、スポーツ産業との連携やスポーツ団体の運営の透明性などが明文化されている点です。そして「スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは国民の権利である」というスポーツ権が明記された意義は大きいと思います。
 この日私はパネリストとして参議院議員の友近聡朗さんと日本ラグビーフットボール協会の中竹竜二さんとご一緒しました。法律制定に深く関わった友近さんは南アフリカ共和国大統領のマンデラさんの業績を紹介しながら「人種の壁を破れるのはスポーツです」と。「ただ、日本は学校教育で多くのスポーツ体験をしますが、社会に出ると同時に全くやらなくなる人が多い」と、現在の問題点を紹介。中竹さんはビジネス界での経験を基に「スポーツ界はコーチングにおいて良いノウハウを積み上げてきているとはいえない。ビジネス界では会社という器に集積され活用されている」と。確かに名伯楽と言われる方でもその指導を後輩に受け継ぐ意思がなければ途絶えてしまうでしょう。
 200人ほどで満員の会場に水泳パラリンピアンの成田真由美さんが熱心に聞き入る姿を発見。私は健常者と障害者のスポーツの好循環について、施設の共用などアスリート同士が刺激し合える場の必要性を話しました。今回のようなシンポジウムが全国各地で開催され、議論の輪が広がることに期待します。

(共同通信/2011年7月11日配信)

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