まさに日本の誉れ
澤穂希(ほまれ)さん、まさに日本の誉である。サッカー女子W杯、なでしこジャパンの活躍に日本中が明るく沸きました。この快挙はキャプテンの澤さんのリーダーシップによるところが大きいと思います。相手のボールを上手に奪い取り、その後は澤さんを軸に攻撃が展開されるのが日本の形。澤さんは99年から03年、アメリカに渡り、レベルの高いアメリカのリーグで5年間の武者修行をしました。その経験が人間としての魅力にもにじみ出ていると感じます。一度、テレビの仕事でお会いしたことがありますが、人を優しく包み込むクッションのような方だと感じました。
最近、プロスポーツ界での女性の活躍、新規参入のニュースが多く聞かれます。今年度から競輪学校に女性の一期生35人が入学し、来年夏には女子競輪がスタート。オートレースでは44年振りに女性レーサーが誕生。男性に交じって熾烈な戦いを開始しました。
女性で初めて五輪でメダルを取ったのが人見絹枝さんです。1928年のアムステルダム五輪女子800mの銀メダル。当時は女性がスポーツをすること自体、世間から白い目で見られる雰囲気があったようです。人見さんは後援者からも旅費を募って何とか五輪に参加。暑い中、800mでゴールした後、他の選手たちが仰向けで大の字になる中、人見さんだけはうつ伏せに小さく倒れました。すると「さすが大和撫子、倒れる姿も美しい」と新聞で賞賛されたそうです。その後、女性スポーツに対する見方が変わったとのこと。天国で人見さんは今の女子選手の活躍をどうみているでしょうか。そんなことを感じる盛夏、なでしこジャパンの活躍に向日葵も微笑んでいるようにみえます。
(共同通信/2011年7月15日配信)
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