 ボルダーから世界へ
夏休み、夫と共に山下佐知子さん（第一生命女子陸上競技部監督）を訪ねて米コロラド州ボルダーへ。ボルダーはロッキー山脈の麓にあり、標高約1600ｍ。山下さんが指導する尾崎好美さんと野尻あずささんがテグ世界陸上女子マラソンへ向けて、走り込みの真っ只中でした。二人は数日前、50km走に初挑戦。日に焼けた笑顔が眩しく体はよく絞れています。
「夕食はうちで食べて下さいね」と言う山下さんの言葉に甘えると、一人一品ずつのお料理でもてなしてくれました。尾崎さんがムール貝のワイン蒸し、野尻さんがアメリカンドッグ、練習パートナーの田中智美さんと田中花歩さんが生春巻きとゼリーのデザート、そして山下さんが豚汁を。どれもとてもおいしかったです。
翌日、街中からつづら折りの道を車で登り、隣町へ抜けるマグノリアロードへ。標高2500ｍで酸素が薄い中、尾崎さんが厳しいインターバル走を行いました。その翌日全く同じ練習を野尻さんも。「一緒にやるとお互いが刺激し合い頑張り過ぎちゃうんです」と山下さん。宿舎は名ランナーのリディア・シモンさんのセカンドハウスを借りています。練習が終わるとトレーナーの酒匂寛さんが体をチェックしマッサージ。そして管理栄養士の田代文子さんが手の込んだ食事を用意して待っています。食卓を囲むチームの雰囲気が何とも家族的なのです。山下さんは「選手が活躍すると私ばかりが取り上げられますが、うちは酒匂さんや田代さん達とのチーム力なんです」と話しました。世界陸上では「金メダルを狙います。」と、きっぱり話す尾崎さん。「チャレンジャーと全力を出します」と野尻さんも自信満々の表情。本番がすごく楽しみです。
（共同通信／2011年8月1日配信）
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