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おしゃべり散歩道2011

たすきが繋ぐ復興駅伝

 福島の知人から巨峰と高尾の二種類のブドウが届きました。箱を開けると「放射線量検査済」という説明が。早速戴くと芳醇な甘さと瑞々しさが豊かな秋を運んでくれました。私は普段スーパーでも福島産のものを見つけると買っています。福島に思いがつのるからです。震災直前の2月にはいわきサンシャインマラソンに2年連続でゲストとして招かれ、被災した沿岸部の漁港の皆さんから大漁旗を掲げて応援して頂きました。また飯舘村は菅野典雄村長が愛の俳句で町おこしをした際、黛まどかさんと共に4回ほど伺ったことがあります。阿武隈川に白鳥が飛来する11月上旬は東日本女子駅伝の中継で福島市へ。
 今年は大会の開催が心配されましたが、先日福島テレビのプロデューサーから「復興駅伝でがんばりますよ!」と元気な声で電話があり感涙しました。そして、駅伝を盛り上げるべく秋分の日に福島でミニ番組の収録を行ったのです。吾妻小富士を臨むあづま総合運動公園に行くと、赤とんぼが飛び交い、芝生の広場で遊ぶ親子の姿が目立ちました。私はウオーキングからジョギングの楽しみ方、駅伝の魅力を思う存分語り、「駅伝の見所は?」の問いに「タスキ渡しの中継所です」と答えました。友情と責任を繋ぐ中継所での選手たちの表情や仕草に注目して欲しいと思います。
 今年は特別に福島、宮城、岩手の被災三県の控え選手で「絆チーム」を作り、走ってもらおうと計画しているようです。中学生から実業団選手まで、幅広い年齢の選手たちが各都道県代表チームとして一本のタスキをつなぎます。「つなぐ姿」は観ている人に様々な思いを抱かせ、復興への勇気を与えてくれることでしょう。

(共同通信/2011年9月26日配信)

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