一年を通し競技に親しむ
札幌五輪の開会式会場となった真駒内競技場。10月2日に開催された札幌マラソンは14000人を超える参加者の熱気に包まれました。開会式場の芝生の上でハシャグ子どもたち。それを見守る赤いナナカマド。子ども達が高揚するのは、日本女子短距離界のスター、北海道ハイテクACの福島千里さん、北風沙織さん、寺田明日香さんの3人が参加したからです。札幌に近い恵庭市を拠点に活動する福島さんらは「地域のスポーツを応援したい」と駆けつけました。憧れの選手を見つめる子ども達の目はキラキラ。「子どもの頃はバスケをしていました」と北風さんが言えばバスケット部と思われる子どもたちが歓声を上げ、「私は4年生から陸上を始めたんです」という福島さんの言葉に低学年の子どもたちが大騒ぎ。そんな小学生たちと2kmを全力で走った私はゴール後、何のスポーツをしているのか尋ねると、夏は野球、サッカー、バスケや陸上を行っている子どもの多くが、冬にはスキーやスケートにも取り組んでいることが分かりました。
大会を運営するのはさっぽろ健康スポーツ財団。約1000名の職員で市内29の公共スポーツ施設を管理するとともに、冬には札幌国際スキーマラソンも開催してします。「市民が心豊かに暮らすためには健康が大事ですので、一年を通してスポーツに親しめる環境作りに力を入れています」と財団理事長の波田正明さん。その考えに市民は共感し、子ども連れで大会に参加。そこに日本を代表するような憧れの選手たちが応援にきてくれます。このような連携の素晴らしさによってどんどんスポーツの裾野は広がり、より頂上が高くなるのだと感じました。札幌は健やかです。
(共同通信/2011年10月3日配信)
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