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おしゃべり散歩道2012

同級生二人が奮起

 東日本大震災から1年、3月11日に開催された名古屋ウィメンズマラソン(ロンドン五輪選考会)のゴールに4位で飛び込んだのは渋井陽子さん(33歳)。満面の笑みにVサインでゴールする姿に記者席からひと際大きな拍手が起きました。私もそうですが、少しふっくらとした渋井さんがここまでやるとは誰も思っていなかったのでしょう。そんな渋井さんと同級生で長年しのぎを削ってきたのが野口みずきさんです。6位で帰ってきた野口さんの目は涙で濡れていました。
 レースでは17キロで遅れ、一時はトップから30秒の差をつけられたものの諦めずにじわじわと追い上げ、29キロ地点でまた先頭集団に追い付いた野口さん。その後の優勝争いには絡めなかったものの、すさまじい粘りでした。レース後の記者会見で「後半のほうが体が楽でした。改めてマラソンに向いていると感じました」と野口さん。すっきりとした表情で話す姿に、私は野口さんにロンドン五輪でもまたメダルを獲ってくれるのではと期待し過ぎていたことを反省しました。よく考えれば、北京五輪直前に脚を故障して4年、選考レースのスタートラインに立つまで、いかに長い道のりだったことか。4年という歳月はアスリートにとっては時代が一つ変わるもの。活躍する選手達の顔ぶれも変わります。その群雄割拠の中で戦える野口さんと渋井さんが凄いのです。
 しかも「監督のベスト記録(2時間18分55秒)を塗り替えたいと思います」と現役続行を茶目っけたっぷりに話した野口さん。彼女のマラソンの自己ベスト2時間19分12秒の更新をさりげなく宣言したのです。野口さんのゴールの涙は嬉し涙。3月11日、新しいスタートになりそうです。

(共同通信/2012年3月12日配信)

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