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スポーツ科学と市民ランナー
関東地方で梅が見頃を迎えた3月25日、徳島公園では小さなピンク色の蜂須賀桜が満開でした。春の陽だまりの中、広場に集った約百名の皆さんとジョギングを。先頭を走るのは徳島大学総合科学部の小原繁教授です。「増田さん、彼女いくつに見えますか?」と尋ねられ、横を走る美しいフォームの女性を見て、「私よりちょっと上くらいかな」と話すと、「73歳です」と彼女はニッコリ。この方だけでなく、実年齢と見た目がこれほど違う方々の集まりを私は見たことがありません。
この日は徳島大学ジョガーズ・パラダイス(TJP)というクラブの設立10周年のイベント。大学では開放実践センターという部門で阿波踊り体操など様々な公開講座が開かれています。その中の一つにあるのが「100mから始まるホノルルマラソン」。このキャッチフレーズで2002年にスタートした講座の受講者は延べ2,369名。田中俊夫教授の指導のもと、半年間の準備でマラソン完走を目指します。12月のホノルル出場で講座は終了しますが、参加者は益々マラソンが好きになり、修了者のためのクラブを立ち上げたのです。会員の平均年齢は53歳。先日の名古屋ウィメンズマラソンに参加した女性は「男性がバス2台で応援に来てくれて、私たちにハチミツ入紅茶を渡してくれたんですよ」と嬉しそうに話してくれました。走ることで健康づくりも仲間づくりも出来ているのが素敵だなと感動しました。
クラブの皆さんは自分の体のことやスポーツ科学を学びながら、血液検査など運動生理学の研究にも協力しています。このように各地の大学が核となり市民スポーツを応援すれば、健康の楽園が全国に広がっていくと思います。
(共同通信/2012年3月26日配信)
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