スポーツはみることも
今年は夏にロンドン五輪が開催されます。競泳では北島康介さんが4回連続の五輪出場を決め、選手たちを明るく引っ張っていってくれそうです。昨夏50年ぶりにスポーツに関する法律が改正され、スポーツ基本法が施行されました。スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことが人々の権利であることがうたわれ、従来の法律に加えて障害者スポーツの環境整備も明記されているのが素晴らしいと思います。
それを受けて先日、笹川スポーツ財団では国民のスポーツ実施状況調査を行い、その統計結果を取りまとめました。その中で気になったのは小学校3,4年頃からスポーツをする、しないの二極化が進むということ。特に女性は8歳以降、学校の授業以外でスポーツをしない子どもが1割以上もいるのです。特に親子でスポーツをした経験の少ない子がその傾向にあるようです。これは大変なことだと思いました。子どもの頃から体力をつけることは、すべてのことに向かう意欲を高めることにもつながりますし、何より危険から身を守るための敏捷性やバランス感覚を養います。
私が2年間アメリカで生活した頃、週末によくホームステイ先の家族みんなでアメリカンフットボールの試合を観に行きました。朝からサンドイッチやスープを作りバスケットに入れて、それはピクニックに行くような楽しさ。ゆったりとしたスタジアムでは他の家族も同じようにお昼ご飯を広げ地元チームの応援を楽しんでいたのです。スポーツは “する”だけでなく、“みる”ことで興味を持つ場合もあります。学校任せにするばかりでなく、親子でスポーツに触れる機会を増やすことも大切です。春爛漫、体が弾めば心も弾みます。
(共同通信/2012年4月9日配信)
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