ロンドン五輪マラソンコース
4月中旬、五輪のマラソンコースを下見にロンドンへ。エリザベス2世即位60年の年とあり、街には活気がありました。スタート・ゴール地点は「ザ・マル」という、バッキンガム宮殿から東へ伸びるプラタナスの並木道。ウィリアム王子とケイトさんの結婚パレードでも有名な場所です。私が訪れた日は2日後のロンドンマラソンに合わせて英国旗が豪快に並んでいましたが、五輪のスタートラインに立った選手たちもきっと勝利の王、女王を意識することでしょう。
コースはそこをスタートし公園を1周(3.571km)、そして市内中心部を巡る12.875kmの周回コースを3周するもの。両周回(約16km)を走りましたが、最高の観光ランニングコースです。トラファルガー広場、セント・ポール大聖堂、ギルドホール、ロンドン塔、大火記念塔、ビッグベン、ウエストミンスター寺院、バッキンガム宮殿と観光名所満載。ただ、レースとなると選手泣かせです。名所の敷地に入るために路地を右へ左へと曲がるとこともあれば、古いアーケードを抜けるデコボコの石畳も。ゴールするまでに94か所の曲がり角、ロータリーを7回、折り返しを3回。選手は位置取り等に大変な集中力が必要とされ脚への負担も大きいでしょう。また一度離されると、前との距離が確認できなくなる点も懸念されます。
翌日は、オリンピックパークへ。最寄り駅からスタジアムまでは出来たばかりの巨大なショッピングモールを通り抜けます。これまでの五輪スタジアム周辺とは異なる風景ですが、買い物にはすごく便利。マラソンコースも含め、五輪を観光ビジネスにもつなげたいという英国の逞しさがみえるようでした。
(共同通信/2012年4月23日配信)
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