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おしゃべり散歩道2012

車椅子バスケ 想像以上の激しさ

 緑の着物に赤い帯をまいたようにツツジが鮮やかだった5月4日、日本車椅子バスケットボール選手権を観に東京体育館へ。観客席には“一球入魂”と書かれた紺色の大きな横断幕。プログラムを開くと選手の紹介に脊髄損傷や脳性麻痺などの障害名やその原因まで記載されていました。コートに出てきた選手達は様々な高さの車椅子に乗っています。不思議に思っていると場内アナウンスでルール説明が。「障害が軽い人だけでチームを組むことは出来ません」と。選手は障害の程度により持ち点があり、5人の点数の合計の上限が決められていることや、普通のバスケットボールとの違いなどを分かり易く話してくれたのです。初めて観戦する人でも楽しめる、丁寧さに感動しました。
 この日は東北代表の宮城MAX対東京代表のNO EXCUSEによる決勝戦。それは想像以上の激しさでした。ボールを追って車椅子同士がぶつかる金属音が観客席まで届き、ギュッギュッとタイヤの擦れる音に溶けたゴムの匂いが漂ってくるよう。また、相手のディフェンスをかわし、ゴール下で体をのけ反る様にシュートする上半身はまるで魚の瀧登りのようでした。ゴールの度に大歓声が会場を包み、私も思わず立ち上がりました。
 試合後、日本車椅子バスケットボール連盟会長の野口美一さんにロンドンパラリンピックのことを伺うと「以前は代表に選ばれると選手はお金が無くなったんです」と話しました。合宿や遠征で自己負担もあったそうです。「でも今回は選手の負担なしに5月、6月と海外で合宿と練習試合を予定しています。ありがたいです」と。頑張る選手達の環境がどんどん良くなっていくことを切望します。

(共同通信/2012年5月7日配信)

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