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おしゃべり散歩道2012

晴れやかにスタートを

 七夕の日、テレビ「ボクらの時代」の鼎談で有森裕子さんと野口みずきさんにお会いしました。それぞれに合った柄の浴衣が用意されており、着てみると「増田さん、似合ってますよ」と有森さん。「有森さん、すごくきれいです」と野口さんの目はキラキラ。「みずきちゃん、七五三みたいに可愛いね」と私。収録前からはしゃいでしまいました。
 ロンドン五輪女子マラソンの日(8月5日)の朝に放送されるとあって、話はマラソンコースに。観光名所を巡るために90か所以上の曲がり角があります。「私だったら最短コースを狙って、集団の中ではなく前で走りたいです」と野口さん。そういえば野口さんはアテネ五輪で金メダルに輝いた時、25キロ地点からロングスパートをし、一人旅でゴールに飛び込みました。「あんな走りをするには勇気がいる」と有森さん。野口さんは下見の時に25キロ付近で目立つ看板を見つけ「ここかな」と直感的に感じたそうです。そして後日、藤田監督(当時)からも同じ地点でのスパートを指示されたのです。綿密なコースの下見がいかに大切かを感じました。
 そして話題はレース当日。「スタート前にライバルに会っただけで“負けた、勝った”が分かりましたよ」と有森さんは話します。体調や体の絞り具合だけでなく、やってきた練習による自信など、体から発するものがあるのでしょう。確かにアテネ五輪直前、「早くスタートラインに立ちたくてウズウズしている」と話した野口さんの全身からそんなオーラが発せられていたのです。
 “人事を尽くして天命を待つ”。ロンドン五輪で競技開始の合図を待つ代表選手達が晴れやかな表情であるようにと祈っています。

(共同通信/2012年7月9日配信)

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