増田明美のホームページ ビデオメッセージへ各種お問い合わせへトップページへ

TOP > おしゃべり散歩道 > 2012年目次 > エッセイ第28回
プロフィール
おしゃべり散歩道
イベント情報
出演予定
執筆活動
リンク集

おしゃべり散歩道2012

選手にすごさと人間的魅力

 間もなくロンドン五輪が開幕します。そしてその後にパラリンピックも続きます。5月下旬、マラソンコースの下見にロンドンへ行った際、空港から地下鉄の駅へ向かう通路にオリンピック選手の大きなポスターが。その反対の壁には同じ大きさでパラリンピック選手のポスターがありました。市内の広場のカウンドダウン表示でもオリンピックとパラリンピックが同等に扱われていたのに驚きました。その感動を女子マラソン英国代表のマーラ・ヤマウチさんにお話しすると「英国はパラリンピック発祥の地ですし、選手も人気があるんですよ」と。
 パラリンピックの始まりは1948年ロンドン近郊の病院で行われた、戦争で半身不随(パラプレジック)になった人のアーチェリー大会。パラプレジック+オリンピックでパラリンピックと呼ばれるようになりました。しかしその後、視覚や四肢の障害者も参加するようになり、並行(もうひとつの)という意味のパラレルのパラに意味合いが変わったのです。
 昨年日本ではスポーツ基本法が施行され。障害者スポーツへの援助が多くなりました。でもまだまだ不十分で、女子陸上日本代表の中西摩耶さん(片下肢切断)は活動資金をねん出するためにセミヌード写真のカレンダーを販売し話題に。中西さんは米国を拠点に転戦しながら、宿泊費を節約するために車の中で寝泊まりすることもあります。アル・ジョイナーさん(ロス五輪三段跳び金メダリスト)にコーチをお願いし、めきめきと力をつけてきているのです。私はロンドンからテレビを通じてパラリンピックをお伝えします。オリンピック同様「選手」としての凄さと、人間的な魅力に迫りたいと思います。

(共同通信/2012年7月13日配信)

次のエッセイを読む 【2012年の総合目次へ】 前のエッセイを読む


Copyright (C)2001-2021 Kiwaki-Office. All Rights Reserved.
サイト内の画像・文章等の転載・二次利用を禁じます。