増田明美のホームページ ビデオメッセージへ各種お問い合わせへトップページへ

TOP > おしゃべり散歩道 > 2012年目次 > エッセイ第33回
プロフィール
おしゃべり散歩道
イベント情報
出演予定
執筆活動
リンク集

おしゃべり散歩道2012

海外レースの経験不足

 コスモスが風に揺れる8月中旬の北海道士別市。この合宿の里で強化合宿を行う日本実業団陸上競技連合の皆さんを取材に訪れました。そこにはロンドン五輪女子マラソン(入賞を逃す)を終えた監督3人の姿も。尾崎好美さん木ア良子さん重友梨佐さんの監督、山下佐知子さん林清司さん武冨豊さん。武冨さんと山下さんは女子マラソン終了後、ケニアのイテン地区へ3日間視察に行ったそうです。イテンは名ランナーを多数輩出している所で、今回のケニアマラソンチームの練習拠点にもなっている場所。標高2300mの高地で、スポーツメーカーが支援するキャンプが数多くあり、人口4000人のうち1000人が長距離ランナーだと言われています。「練習時間になると、どこからともなくランナーが現れる。みんな“生きるため”に真剣に走っている」と山下さん。武冨さんも「一人一人がライバルだから伸びていく」と。二人は今後益々のケニアの台頭を怖れ、日本の選手達がここに来てハングリーさを肌で感じることが大切だと熱く語りました。
 また、林さんは今回の木アさんの走りについて「海外レースの経験不足です!」とキッパリ。木崎さんは20キロ過ぎ、テムズ川沿いで急にペースが上がった時に付いていく勇気が持てませんでした。「その先は曲がり角の多い区間でペースが落ちるのだから、あそこは無理をしてでも付いていくべきだった」と林さん。それが出来なかったのはペースの上げ下げが激しい海外レースを走っていないからだ話しました。 監督たちは五輪後にすぐに課題を見つけて次に進もうとしています。士別の合宿では未来の五輪選手を育てようと、共に協力し合い切磋琢磨する姿がステキでした。

(共同通信/2012年8月20日配信)

次のエッセイを読む 【2012年の総合目次へ】 前のエッセイを読む


Copyright (C)2001-2021 Kiwaki-Office. All Rights Reserved.
サイト内の画像・文章等の転載・二次利用を禁じます。