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おしゃべり散歩道2012

マラソンとチャリティ

 中之島公園の虫の音に土佐堀川の流れも涼やかに感じられた9月22日、大阪マラソンを2か月後に控え、大阪マラソンチャリティシンポジウム(主催:読売新聞)が開かれました。組織委員長の松本正義さん(住友電工社長)は「今やマラソンは全世界で行われている社会運動だ」と市民マラソン大会のパワーの大きさを力説。世界42の国と地域からランナーが訪れた昨年の第1回大阪マラソンのチャリティについて「2000万円弱とはあまりに少ない」と今後の活動への注力を宣言されたのです。
 チャリティマラソンの代表ともいえるロンドンマラソンは約60億円の寄付を集めています。大阪では3万人のランナーから参加料とともに500円の寄付を徴収。それに善意を足しての金額。それに対してロンドンでは4万人の参加者のうち1万3000人分を大会主催者が600の慈善活動団体に4000円ほどで“卸す”のです。団体はそれを例えば40万円で売りに出します。「当団体に寄付を頂ければ、途中にあなただけの給水所を設け、ゴール後はホテルで完走パーティーを」と魅力をアピールして。ランナーは40万円を集めるためにネット上で「私は交通遺児を支援する団体に寄付したいので応援してください」とアピールし小口の支援者を募ります。
 今年4月のロンドンマラソンを視察に行った時のこと。歩道にカラフルな風船を飾り、「小児がん撲滅」、「交通遺児に教育を」等の横断幕を掲げている団体をたくさん目にしました。皆さんお揃いのシャツを着て、声援を送っていたのです。話を伺うと、寄付をしてくれたランナー達を応援しているとのこと。寄付をする側と受ける側の顔が見える温かい光景でした。

(共同通信/2012年9月24日配信)

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