地域経済にも貢献
味わいのある深蒸し茶の産地として有名な静岡県掛川市。11月上旬、掛川市体育協会がNPO法人化して10周年を迎えるに当たり、講演会にお招きを受けました。会の前に会長の松浦金作さんにNPO法人化した理由について伺うと、「いつまでも受け身ではいけないと思った。自立して活動しないとね」と。大変なことも多いと言われましたが、その取り組みは画期的です。
掛スポ、掛ツアー、掛ファーム、掛マネーという4つの大きな施策が目を引きます。掛スポは総合型地域スポーツクラブの略称。体育協会が直接運営するのは珍しく、年代に応じて様々な種目が楽しめます。掛ツアーは体協ツーリスト。旅行代理店業務を行い、スポーツ合宿の受け入れや市を訪れる観光客へ1日ウオーキングツアー等を販売しているのです。そして掛ファームは体協農園。農業体験をしたり、区画で借りることができるオーナー制度があったり。
驚いたのは掛マネーです。「いーさ」という愛称がつけられ、ボランティアに半日参加したら300いーさ、健康づくりのイベントに参加したら100いーさ、という具合に、いいことをしたらポイントを貰えるのです。見せて頂くと名刺サイズのしっかりとした券で10、50、100の3種類。それを市内の協力店で買い物や食事に利用できるので、子どもも大人も嬉しいでしょう。こんな風に数々のアイディアを生み出しているからでしょうか。講演会では運営スタッフの皆さんが笑顔で、まるで旅館でおもてなしを受けているような心地よさ。
市民中心でスポーツ振興に取り組んでいる掛川市。スポーツが健康はもちろん地域経済にも大きく貢献できる可能性を感じました。
(共同通信/2012年11月12日配信)
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