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おしゃべり散歩道2012

謙虚さと笑いを

 脱皮をしながら成長する蛇。巳年の2013年はスポーツ界にとっても大きな成長が期待されます。9月7日に2020年夏季オリンピック・パラリピックの開催都市が決定するからです。先日、東京都知事に当選した猪瀬直樹さんの後ろで、オーラを発していた川淵三郎さんの姿が印象的でした。その後、川淵さんとお話するチャンスに恵まれましたが「当選直後、バンザイではなくやるぞ!のポーズにしようと言ったのですよ」と川淵さん。76歳とは思えない溌剌とした雰囲気の魅力的な方です。まさに「やるぞ!」という気持ちで東京招致へ向けて第一歩を踏み出したように感じます。
 招致活動は年明け早々、本格化。1月7日にIOC(国際オリンピック委員会)に立候補ファィルを提出。最初の1、2ページには総理大臣と東京都知事の挨拶文が載ると思いますが、ギリギリで間に合ってよかったです。そして3月上旬にはIOC評価委員会のメンバーが来日し、視察。東京はライバルとなるマドリードとイスタンブールに比べ財政面や交通、競技会場の面は有利なのに、招致に対しての国民の支持率が低いことが問題視されています。でもロンドンでの日本選手の活躍で支持率が急上昇しているので、ここに期待したいと思います。
 夏に訪れたロンドンで、市民が白杖で歩く人に自然に声をかけたり、段差で困っている車椅子をさっと持ち上げたりする光景に心を打たれました。障害者に対する根付いた優しさと文化があると感じました。日本は五輪メダリストのパレードを先に行ってしまうなど、まだまだ遅れています。心のバリアフリーを育んでいくことが、招致の成功につながると思うのです。

(共同通信/2012年12月21日配信)

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