若い力、女性の力を活用
富士山の世界文化遺産登録が正式に決定した2日後、日本水泳連盟が新しい役員人事を発表しました。会長に選ばれたのは鈴木大地さん(46歳)。そして33歳の萩原智子さんが新理事に。富士の伏流水のような爽やかさです。水泳界は五輪代表の選考基準も明確であり、どんどん改革が進み良い方向に向かっているように感じます。その結果が五輪のメダル数にも表れているのでしょう。
大地さんとは五輪の度に解説者としてご一緒していますが、同じ千葉県出身とあり話が弾みます。人懐っこい笑顔、ユーモアセンスも抜群で、大地さんの周りにはいつも人の輪が広がるのです。アテネや北京五輪では解説の仕事以外の時間に、他国の役員や元アスリートと杯を傾けながら交流を深めていました。今後に水泳界のみならず、日本のスポーツ界を引っ張っていく一人になることでしょう。
その数日前に発表になった日本バレーボール協会の役員人事も画期的でした。会長には46歳の羽牟裕一郎さん。若さもさることながら、競技経験がなく審判員出身の医師という経歴も注目されます。しかも新理事にロンドン五輪銅メダリストの竹下佳江さん(35歳)や外部の目で改革をして欲しいと柔道界から山口香さん(48歳)が就任。15名の理事のうち4名が女性という点も特筆すべき点です。
若ければいいというわけではありませんが、競技団体の会長職は思った以上に体力が必要。大会や会議に出席するために国内のみならず世界中を飛び回ります。企業のトップも40代50代が当たり前の時代ですから、若い力や女性の力を活用していけるかどうかが重要だと思います。裾野を広げ頂きを高くする富士山を見習いたいものです。
(共同通信/2013年6月24日配信)
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