障害者競技も盛り上げて
昭和39年元日生まれの私は、その年の東京五輪のことを市川昆監督の映画「東京オリンピック」で知ることが出来ました。たくさんの外国人を迎え入れる喜びと緊張感、新しい建物や道路がどんどん造られる躍動感が伝わり、興奮したものです。
そのオリンピック、パラリンピックが56年ぶりに再び東京へ来るなんて感激です!決まった瞬間、プレゼンテーターの一人であるフェンシングの太田雄貴さんが、顔を覆い号泣する姿が画面に映りました。相当な緊張感から解放されたのでしょう。今年2月、太田さんとイベントでご一緒した時に、休憩時間中ずっとイヤホンで英会話の勉強をしている姿を思い出し、私ももらい泣きしてしまいました。
開催まで7年間ありますから、様々な課題を克服できるでしょう。その中の一つに、障がい者スポーツをいかに盛り上げていくかがあります。山口市で開催されたジャパンパラ陸上を、発表前日の9月7日に取材に行きました。7月の世界選手権で走り幅跳びで金メダルに輝いた山本篤さんやロンドン大会で活躍した多くのパラリンピック選手が参加していましたが、観客が少なくてびっくり。山本さんも「先日、ロンドンの国際大会では6万人も観客がいたのに、今日はその200分の1くらいかな」と苦笑い。「競技力を向上させる努力と共に、障がい者スポーツを知ってもらう努力もしていかなければいけませんね」と山本さん。
そう言えばロンドンでは、パラリンピックの閉会を待ってオリンピックとパラリンピックのメダリストが合同でパレードを行いました。成熟した都市で開催するオリンピック、パラリンピックでは、心のバリヤフリーを高めていく必要があります。
(共同通信/2013年9月9日配信)
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