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おしゃべり散歩道2013

日本陸上界の明かり

 中秋の名月の翌日から、埼玉県熊谷市で全日本実業団陸上選手権大会が開催されました。2日目の女子のジュニア3000m決勝は午後6時50分のスタート。まだふくよかな月が虫の音と共に選手たちを見守っているようでした。
 スタートして間もなく先頭に立ったのは、翁田あかりさん(19歳・天満屋)です。入社2年目ですが、1キロ3分2秒という速いペースを刻み、一度もトップを譲ることなく横綱相撲で優勝。観ていてシビれるような度胸のあるレースに、名前の通り日本陸上界の灯りだ!と感じました。
 武冨豊総監督は「モスクワ世界陸上で新谷仁美さんがアフリカ勢に積極的に立ち向かった、あのレースから刺激を受けているんですよ」と。やはり人は感動から力を与えられるのでしょう。また「エチオピア合宿がよかったのかもしれませんね」と武冨さん。日本陸上競技連盟では今年の2月下旬から約3週間、女子長距離の若手選手6人をエチオピアに派遣。選手達は持参した日本食を食べることなく、現地の主食インジェラを食べ、大自然の環境にもすぐに適応したそうです。野山を走っていた時に地元の選手に「一緒に走ろうよ」と手招きされ、ついていく選手もいたとか。エチオピアの選手達にとって走ることは、食べること、生きること。家族の生活までもその肩に背負っています。しかし彼女らが「純粋に走ることを楽しんでいる」と、気づいたことが日本選手にとって収穫だったようです。
 合宿を経験した6人は皆、帰国後のレースで積極的な走りをみせています。3年後、7年後の五輪を考えると、若い選手達がエチオピアやケニアの空気を肌で感じることはこの上ない経験になるのだと思います。

(共同通信/2013年9月30日配信)

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