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おしゃべり散歩道2013

駅伝シーズンが到来

 玄界灘へ抜ける風が選手たちに優しかった10月27日、実業団女子駅伝西日本大会が開催されました。福岡県宗像市役所を発着するコースに16チームが集い、その中には野口みずきさん(シスメックス)、木ア良子さん(ダイハツ)、重友梨佐さん(天満屋)、福士加代子さん(ワコール)の五輪選手の姿も。柿の実色づく沿道にも沢山の人が集まり、躍動感のなか私は移動中継車から解説を。
 レースはダイハツが優勝。1区から激戦でした。先頭を走る木アさんに18歳の岩出玲亜さん(ノーリツ)が追いつき、中継所まで残り1キロで2人は何度もスパートをかけ合ったのです。最後は木アさんが先に襷を渡しましたが、レース後「2回諦めかけましたよ」と木アさん。岩出さんは全日本実業団陸上のジュニア3000mでも3位に。7年後の東京五輪に向けてまた楽しみな選手が増えました。
 エースが集う3区で野口さんもパワフルでした。福士さんや重友さんを上回る区間3位の好記録。モスクワ世界選手権で途中棄権した後、見事に気持ちを切り替えて立ち上がった姿に、多くの人が拍手を贈りました。
 この大会は順位だけでなくゴールタイム(2時間23分を切ったら)でも全日本大会へ駒を進めることができます。ですからその時間にゴールにいると、悲喜こもごもの風景がみられます。時間ギリギリに入り込んだ、最後のチームは肥後銀行。創部3年目で初出場を決め、待ち受けた大応援団は皆抱き合って涙、涙。頭取の姿も。監督の飛瀬貴子さんはアテネ世界選手権(‘97)の女子マラソン日本代表だった人ですが、重圧から解放され、胃を押さえながら涙。様々なドラマを生む駅伝の季節が始まりました。

(共同通信/2013年10月28日配信)

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