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おしゃべり散歩道2013

7年後意識 頼もしき中高生

 「みちのくの しのぶもじずり 誰ゆえに 乱れそめにし 我ならなくに」と、福島市のもちずり橋の欄干に刻まれた伊勢物語の一節。毎年11月上旬に開催される東日本女子駅伝の中継で伺う度に、阿武隈川沿いを走ってその橋まで行きます。橋に近づくと「クオー、クオー」という声が。麓にシベリアから白鳥が10月中旬から飛来しているのです。今年は14羽。地元の方に伺うと、昨年ケガで故郷に帰れなかった白鳥が2羽いて、12羽と合流してから元気を取り戻したようです。
 まるで故障で走れなかった人が回復し、今年チームに合流した選手のよう。レースは18都道県の中で、千葉が3年ぶりに優勝を飾りました。アンカーを走りゴールテープを切った篠塚麻衣さんは中央大学の3年生。落花生で有名な八街中学校の卒業生で、脚の故障を経ての復活でした。元気な走りを「落花生パワーですね!」と私はコメント。
 それぞれのチームの中学生から実業団までの選手たちが郷土のために一丸となって走る姿には胸が熱くなります。また一人の選手の成長を見守ることができるのもこの大会の特徴。例えば千葉県チームで優勝の立役者となった2区の内藤早紀子さん(19歳・パナソニック)は、13位でタスキを受けて7人をごぼう抜き。彼女は中学生の頃から出場し、6年連続で走っていますが、中学生の頃は140センチ位だったのに今は160センチに成長しました。年々発言も大人になり、今年は「7年後の東京五輪はマラソンになるか、1万米になるかわかりませんが出場したいです」ときっぱり。内藤さんのように、7年後を意識したコメントが中学生や高校生から多く聞かれたことも嬉しいことでした。

(共同通信/2013年11月11日配信)

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