ママさんランナーの先駆者
冬うらら、来年1月の大阪国際女子マラソンを最後に赤羽有紀子さん(ホクレン)が引退することを発表しました。ママさんランナーとして日本のトップクラスで活躍した先駆者です。少し寂しい気がしますが、ご主人でコーチの周平さんに伺うと、だいぶ前から有紀子さんには「試合スケジュールや練習メニューに関しては自分に任せて欲しい。でも辞め時は自分で決めなさい」と話していたそうです。
そして1年以上前から有紀子さんは2014年の大阪を最後にしたいと決めていました。大阪はマラソンデビューをした場所。引退を決めた理由は「オリンピックの表彰台を夢見て競技生活を続けることはもうできない。目標を見失ったままダラダラ続けたくはない」という有紀子さんの思いがあったようです。
以前から有紀子さんは優しい顔で、一人娘の優苗ちゃんの「記憶に残るまで走り続けたい」と話していたことを思い出します。優苗ちゃんは今小学校1年生ですが、そんなお母さんの頑張る姿にすごく影響を受けたのでしょう。11月13日、栃木県の梨の里マラソン小学校1年生女子の部(1.5km)で優勝しました。その後の校内持久走大会でも1年生女子の部で第1位に。有紀子さんは「将来は好きなことをやって欲しいけど、今は走ることが一番好きなようです」と笑顔で話します。
「有紀子が出産した後も競技生活を続けられたのはホクレンチームおかげです」としみじみと話す周平さん。五輪等で表彰台に上る女子マラソン選手の殆どが既婚者でお子さんもいます。日本の女性長距離選手に新しい道を作ってくれた赤羽さん。いつも周りに感謝の気持ちを忘れないお二人の活躍はこれからも続くでしょう。
(共同通信/2013年12月9日配信)
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