明るく陽気に銅メダル
ソチパラリンピックの開会式の様子をスカパーで大日方邦子さん(パラリンピックアルペンスキー5大会連続出場)と共にコメント。現地からの国際映像をスタジオの大画面で味わえたのは役得です。開会式のテーマ「ブレーキング・ジ・アイス」は、緊張をほぐす、場を和やかにする等の意味。文字通り、美しい光の中に大きな砕氷船が現れ氷を砕いて進み、最後にtogetherの文字が浮かぶという、粋な演出にうっとりしました。
「でも、翌日に競技のある選手は開会式に出なかったり、入場行進だけして選手村に帰る人もいるんですよ」と大日方さん。彼女も現役の頃、開会式にはあまり出た経験はなかったそうです。そんな話をする中、いよいよ日本選手団の入場です。車椅子の上から一際明るい笑顔で大きく手を振る選手が。アルペンスキー(座位)の鈴木猛史さん(25歳)でした。鈴木さんの競技は明朝なので「大丈夫ですかね」と私が言うと「彼なら大丈夫ですよ。」と大日方さんはにっこり。何となくその意味が分かりました。
1か月程前に行われた結団式で鈴木さんにお会いした時、「現地にはインスタントのソース焼きそばを持って行きます」と、茶目っ気たっぷりに話し、ソチでの楽しみは?と聞くと「ロシアン美女との出会いです」と。とにかく明るく面白い人なのです。
鈴木さんは、福島県猪苗代町出身で小2の下校時に交通事故で両太ももを切断。もともと運動神経は抜群で小3からお父さんの指導でチェアスキーを始めました。開会式翌日の滑降で見事銅メダルを獲得した鈴木さん。「苦手な種目(得意は回転)でメダル取れちゃいました。これで一安心」と話す姿にテレビの前で大拍手を贈りました。
(共同通信/2014年3月10日配信)
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