ママさん選手への支援を
桜前線が関東地方を駆け抜けた3月31日、日本陸上競技連盟は初めて結成されたナショナルマラソンチームのメンバーを発表しました。男子12名、女子9名。これから合同合宿など年に何度か行いながら、選考レースと合わせて世界大会の日本代表が選ばれます。女子は年齢層が幅広く、最年長は35歳の野口みずきさんで、最年少は22歳の前田彩里さん。30歳代は野口さんと福士加代子さん、早川英里さんの三人ですが、世界の実勢からすると少ないでしょう。
現在、世界で活躍するトップ選手の殆どはママさんランナー。今年3月の名古屋ウィメンズマラソンを制したマリア・コノワロワさんは39歳、2位のエレナ・プロコプツカさんは37歳です。コノワロワさんに長く一線で活躍する秘訣を伺うと「マラソンは人生経験が力になるのよ」と。そして「疲労の回復は遅くなったけど、サプリメントなど上手く利用すれば45歳位までイケると思うわ」とにこやかに話しました。
日本でも結婚後も競技を続ける選手が増えてきていますが、今後は選手が所属する実業団チームがどのように支援していくかが問われます。寮での団体生活が基本で、合宿も多い仕組みではなかなか子育てが出来ません。これまで出産後に第一線で活躍したのは、ホクレンの赤羽有紀子さんとノーリツの小アまりさんです。赤羽さんはご主人がコーチとして支え、小崎さんは合宿などではチーム全員で子育てをしているような環境です。どちらも指導者や会社の理解があって出来ること。
安部首相が成長戦略の一つに掲げる女性が輝く日本は、スポーツ界にも言えるでしょう。これから人生経験を重ねた選手がどんどん増えて欲しいと思います。
(共同通信/2014年4月7日配信)
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