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おしゃべり散歩道2014

会話が大事な伴走者

 6月とは思えぬ真夏の太陽に紫陽花が負けじと踏ん張っていた朝、東京・代々木公園へ。毎月第1日曜日に日本盲人マラソン協会主催の練習会と伴走講習会が行われていると聞いていたからです。 公園内の原宿駅に近い木陰に約80人のランナー達の姿が。「視覚障害者」と書かれたビブス(通気性のいいベスト)を着た人が約20人、「伴走者」「ガイド」と書かれたものを着ている人もいました。「よく来てくれましたね。今日は増田さんにも伴走をお願いします」と講習会を担当する協会常務理事の鈴木邦雄さん。
 早速、伴走する時に使うガイドロープの持ち方や立ち位置を教わりました。「会話が大事です。視覚障がい者は平均的に脚の前側が筋肉痛になるんです」と、鈴木さん。というのも曲がり角や段差、横を抜ける自転車などの状況を伴走者が言葉で説明してあげないと、怖さから常に止まれるように脚が準備してしまうそうです。成程、私のようなおしゃべりは伴走にぴったりだ!と思いました。
 また、「みんながここに集まるのは、腕を振りたいからなんです」。日常の生活では白杖を持ち、腕が振れないので、伴走者と一緒だと大きく腕を振ることで爽快な気持ちになれるのです。
 さぁ、いよいよ実践へ。視覚障がいの人とロープを持ち合って走り始めました。腕を振ってもらおうと、二人三脚の要領で脚を合わせますが、歩幅やリズムが合うまで少々時間を要しました。そして「バラの香りがしますね。左は赤い大きなバラ、右側はピンクの小さい花がきれいですよ」と話していたら、左に曲がることを言い忘れてしまい反省。慣れるまでまだまだ時間がかかりそうですが、場数を積んでいきたいと思います。

(共同通信/2014年6月2日配信)

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