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おしゃべり散歩道2014

福島の子、日本一の戦い声援

 福島駅に降り立つと、歓迎・第98回日本陸上競技選手権の幟が並び、シャトルバス乗り場への案内が。「皆さ−ん、こちらですよ」とバスの前の元気な女性の声に心が和みました。6月6日から3日間にわたり緑豊かな公園の中にある「とうほう・みんなのスタジアム」で開催された日本選手権。私は1日目の女子1万mを取材に行きましたが、小雨にも関わらず芝生のスタンドに沢山の小学生の姿がありびっくりしました。引率の先生に伺うと「福島市内全校の小学6年生が交代で観戦できるような仕組みを取っているんですよ」と。福島で開催してくれたことに感謝し、日本一の戦いを生で感じて、選手たちを応援するために来たそうです。棒高跳びを間近で観ている児童の中から「すごく高いね」「うわーっ、棒が折れそう」という声が聞こえてきました。
 夕方5時、女性1万mのスタートの頃には大雨に。でも福島陸上競技協会の役員をはじめスタッフの皆さんがびしょ濡れになりながら準備してくれたお陰で時間通りに進行できました。レースはスズキ浜松ACの牧川恵莉さんが先頭を引っ張り、ヤマダ電機の西原加純さんとユニクロの萩原歩美さんが仕掛けどころを探る展開に。そして、残り3周でスパートした西原さんが見事初優勝。彼女は大学時代、ユニバーシアード1万mで金メダルに輝きましたが、卒業後はヤマダ電機へ進み2年間不調続きでした。ゴール後「競技を辞めたいと思った時もありました。でも周りの人たちに助けられて…あー泣いちゃいそう」と西原さん。復活した西原さんのインタビューが映る競技場のモニターを、じっと見つめる福島の皆さんの姿にまた胸が熱くなりました。  

(共同通信/2014年6月8日配信)

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