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おしゃべり散歩道2014

五輪・パラへ環境生かす

 早苗がぐいぐいと背を伸ばし、田んぼの緑が濃くなっています。2020年の東京五輪、パラリンピックに向けて、全国各地の自治体の活動も積極的。中でも競技会場が最も多い東京都・江東区の取り組みは面白いです。大小の川や運河が多い「水彩都市」の環境を生かして、区民にカヌー、カヤック、セーリング等の水上スポーツを推奨。すでに区がクラブを作り、国体選手も輩出しています。
 先日、会議で区長の山ア孝明さんと再会。昭和39年の東京五輪では選手村の食堂でボーイのアルバイトをしていた山崎さんは、スポーツをこよなく愛する人です。この日も「メダリストを育てますよ」と目を輝かせていました。どの競技種目で?と伺うと「オリンピックと同じ位、パラリンピックを盛り上げないとね。障がい者カヌーはまだ選手層が薄いから、身体能力の高い選手なら6年後にはメダルを狙えるよ」と話すのでした。数日前、日本障害者カヌー協会の人が区役所を訪れ、車椅子で通う職員に目を留めたそうです。体の骨格や筋肉を触わり、本人の意思を聞いて強化選手として鍛えられることが決まりました。「仕事帰りに毎日カヌーの練習ができる環境はそうはないぞ、がんばれと発破をかけたよ」と山アさん。
 区では競技スポーツの強化、水上スポーツの普及と同時に生涯スポーツの振興も図っています。区内で活動するスポーツクラブや競技団体、学校や福祉施設などが定期的に活発な意見交換を行い、子ども達の体力低下、働き盛り世代の運動不足問題、高齢者のロコモティブ症候群(運動器の障害)の改善に向け、一丸となって取り組んでいるのです。2020年へ向けて先頭を走っている感じがします。

(共同通信/2014年6月16日配信)

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