日本で根性と忍耐学ぶ
先日の横浜国際女子マラソンを走ったケニアのフィレス・オンゴリさん(2位)、キャロライン・ロティチさん(4位)、エチオピアのティキ・ゲラナさん(6位)の3人は共に日本で暮らし、陸上競技に取り組んだ経験があります。
フィレスさんは山梨学院大付属高校で3年、ホクレンチームで5年の計8年間。「好きな食べ物は納豆、好きな選手は渋ちゃん(渋井陽子さん)」と、横浜でも明るく流暢な日本語でお喋りが止まりません。私が「アフリカの選手達が強いから日本はメダルが獲れなくなったよ」と言うと「ケニアはエチオピアより強いよ!」と、負けず嫌いな人なのです。日本では「諦めない精神を学んだ」と、感謝の気持ちを忘れません。
ロティチさんは仙台育英高校で‘99年から3年間を過ごしました。「大震災の知らせを聞いて悲しい気持ちになった。今も仙台は私の心の中にあります」と。日本では集団で練習をして高め合う方法を学んだようです。
そしてロンドン五輪女子マラソンの金メダリストのゲラナさんは’07年から1年間、デンソーチームに所属。「エチオピアでは練習で疲れると休むけど、日本では倒れるまでやる。根性、忍耐を学びました」と静かな口調で話しました。「当時はこの国に住めたらいいなと思った。人も自然も食べ物もみんないい」と日本が大好きなのです。抜群の身体能力を持ったアフリカの選手達が、日本の精神とマラソンのノウハウを身につけて世界で大活躍しています。久しぶりに会っても日本語でユーモアも言い、笑い合い、まるで日本人のよう。これからも高校、大学、実業団に所属するアフリカの選手達と共に日本選手は高め合っていって欲しいと思います。
(共同通信/2014年11月21日配信)
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