絆をつなぐリレーラン
頭を垂れた稲穂が風に揺れた9月中旬、富山県小矢部市の4時間リレーランにゲストで招かれました。会場名はクロスランドおやべ。北陸自動車道と東海北陸自動車道、能越自動車道が交差する交通の要所になっていることから名付けられたそうです。青々とした芝生の広場は見事。館長の野澤敏夫さんは「洋芝で冬でも枯れませんが、手入れが大変です」と。でも子供たちが走ったり、転げまわったりして体を動かす姿を見る野澤さんの笑顔がステキでした。
1〜2kmのコースを使い、グループでタスキを?いて42.195kmの距離を走り抜くリレーマラソンは富山県が発祥だと言われています。1994年に富山商工会議所青年部が始めた「おらっちゃリレーマラソン」。「おらっちゃ」とは俺たちのという意味です。その後、主催は新聞社に引き継がれ、大会名も「富山あいの風リレーマラソン」と変わったものの21年の歴史を重ねています。
おやべリレーランは1チーム2〜20人で4時間走り続けて(2時間部門もあり)1.2kmのコースの周回数を競うもの。走っている人は必死ですが、コース沿いに張られたテントではお弁当やおやつを食べながら応援し、まるでピクニックのよう。
中でも小矢部市や隣接する高岡市に工場があるLIXILは職場ごとに10チーム181名が参加。中には工場長自らがリーダーとなっているチームもありました。「家族も応援に来て、楽しいです」、「この大会があるから少しジョギングして痩せました」と様々な声が聞かれました。職場での運動会や社員旅行などは少なくなりましたが、スポーツを通してコミュニケーションを深め、健康づくりも行う。スポーツの秋にぴったりのイベントだと思いました。
(共同通信/2015年9月18日配信)
|