強風にぶれず好記録
山口市湯田温泉の始まりは、権現山の麓にあるお寺の池に傷ついた白狐が足を浸けに来ていたこと。和尚さんが池を深く掘ると温泉が湧きあがったと言います。そこを舞台に2月14日、ハーフマラソンの日本一を決める、全日本実業団ハーフマラソン大会が開催されました。リオデジャネイロ五輪女子マラソン代表に内定している伊藤舞さん(大塚製薬)も出場。彼女は1月末の大阪ハーフマラソンで優勝し、2週間で2本のハーフマラソンを走ることを目的にこの大会に出場。10位でしたが、これからリオに向けて本格的な準備を始めるそうです。「温泉地での大会は練習の合間に癒されるのでいいですね」と伊藤さんは嬉しそうに話しました。
そして春一番が吹いたこの日、フキノトウが顔を出すように新星が誕生。優勝した清水美穂さん(25歳・ホクレン)は、初ハーフにも関わらず、序盤から積極的に先頭集団の前でレースを展開。5km毎にタイムを上げ続けて1時間09分41秒の好記録でゴールしたのです。ホクレンチームはこの時期、本拠地の北海道が雪で走れないため、宮崎や徳之島、奄美大島で合宿生活を送りながら体を作り上げています。
清水さんは肩幅がガッチリとした筋肉質の体型。体幹もしっかりしているので、強風の中でも体がブレませんでした。サングラスをかけて走る姿はカッコよく、男っぽい感じです。食事はホルモン系が大好きでよく食べるので、体が強いのでしょう。でもサングラスを外すと、笑顔が可愛い女の子で、チームメイトからは「ポニョ」と呼ばれています。このギャップが魅力なのです。監督の太田崇さんは「将来はマラソンも視野に入れていますよ」と目を細めていました。
(共同通信/2016年2月15日配信)
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