飾らない言葉と笑顔
「全然ダメ!もっと練習します、精進します。応援よろしくお願いします」と、福士加代子さん(ワコール)はいつもの飾らない言葉と笑顔で答えました。高橋尚子杯ぎふ清流ハーフマラソンに、「リオ五輪に向けての練習の一環」として出場。結果は6位(1時間12分4秒・日本人1位)で、後半のペースダウンを反省していました。
いつもより大きめのサングラスをかけて走りましたが、シューズも含め、リオに向けて色々と試しているようです。会場には、日本陸上競技連盟の科学班の姿も。この時期の岐阜の気候がリオと似ているため、レース中の発汗量や心拍数などの基礎的なデータを調べていました。準備は着実です。
それにしても優勝したユニスジェプキルイ・キルワさん(1時間8分55秒・バーレーン)は最初の5kmを15分49秒で走り、そのまま先頭を譲らず。2か月前の名古屋ウィメンズマラソンも昨年に続いて連覇。リオ五輪出場も決まっています。この日、解説していた私でもキルワさんの全身から溢れる「勝ちに行く気迫」を感じたのですから、一緒に走った福士さんは相当刺激を受けたことでしょう。
でも、キルワさんよりトラックの5000m1万mの実績が勝っている福士さん。持ち味のスピードを活かした策を、これから緻密な永山忠幸監督と共に練っていくはずです。「今後のことは全て監督に聞いて下さい」と話す福士さんの言葉にも、監督への深い信頼を感じました。
実はレース前日、大阪国際女子マラソン前に食べていた縁起のいい「金盃カステラ」を福士さんに差し入れ。その後の記者会見で目が合うと「ありがとうございます」と私に向かってにっこり。照れ屋で優しい福士さんです。
(共同通信/2016年5月16日配信)
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