双子の市田兄弟 活躍
前橋市で迎えた新年。ニューイヤー駅伝のゲスト解説で、特設スタジオのある群馬県庁32階に行くと、初日の出が雪化粧した浅間山を赤く染めていました。
レースは古豪旭化成が18年振りの優勝を飾り、驚く声も。でも実は前日のテレビ中継の打合せの時に解説の宗茂さん(旭化成OG)は「トヨタ自動車、コニカミノルタ、日清食品の三強って言われているけど、なぜうちが入ってないの?と選手は不思議がっている」と話し、スタッフを笑わせたのです。確かに旭化成はリオデジャネイロ五輪にも佐々木悟さん(マラソン)と村山紘太さん(5000m、1万m)の2人の代表を送っています。また1万m27分台の日本代表クラスの選手が5人、マラソンでも2時間10分以内の記録を持つ選手が3人で、選手層の厚さはトップ。ただ大会前は、箱根駅伝で活躍した服部勇馬さん(トヨタ自)や山の神の神野大地さん(コニカミノルタ)が、ルーキーとしてどんな走りをするのか注目を集めていたのです。
「区間賞は市田孝だよ」と宗茂さんは断言していましたが、結果はその通りに。双子の兄の市田孝さんが、エースが集う4区で伸びやかな走りをして区間賞を取ると、6区で弟の宏さんも区間新記録の走り。2位以下を引き離し、優勝を確実なものにしました。「とにかく市田兄弟は仲がいいから、どちらかがいいと相乗効果が生まれるんだよね」と宗茂さんも嬉しそうでした。
レース後、市田兄弟は祝福される皆さんに二人並んで「ありがとうございます」と、笑顔で応えていました。私が「仲がいいね」と話しかけると「はい、二人だと喜びも悔しさも倍になります」と、宏さん。二人で目指す東京五輪が楽しみです。
(共同通信/2017年1月1日配信)
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