障がい者と健常者3キロ走
若葉が風に揺れた昭和の日、光が丘公園(東京都練馬区)で「夢伝・Goal in ゆきわり走」(以下、夢伝)を開催。約450人が新緑のエネルギーを吸い込みながら、それぞれのペースで3km(周回コース)を走りました。ハナミズキやツツジ、パンジーなどの花がいっぱい。笑顔もいっぱいなのがこの大会の特徴です。夢伝とは、障がい者と健常者が一緒に走って「いい風に当たろう」という趣旨で始めたもの。今年21回目を迎えます。豊島区の社会福祉研究会代表の姥山寛代さんと共に立ち上げました。
神奈川県の愛川町から毎年参加のダウン症の孝四郎君は、4歳の時はベビーカーに乗っていましたが、9歳の今年は脚を悪くした高齢者の車椅子を押してあげていました。最終走者はキヨミさん(81歳)で、杖を使いながら一歩一歩ゆっくり80分かけてゴールしました。「歩いた後のご飯はおいしいね」と、きよみさんがお弁当を頬張る横で、「僕は5周走ったよ」と自閉症のヨウスケ君が得意顔。笑い声が響くなか、本当に「みんなちがって、みんないい」(金子みすゞ)んだと思いました。
年々、ボランティアで参加する若い人が増えているのも嬉しいです。今年は早稲田大学のフェンシング部、駿台トラベル&ホテル専門学校の学生が参加し、知的障がい者と一緒に歩きました。話を聞くと、障がい者と触れ合ったのは初めてという人もいて「春の遠足みたいで楽しかったです」と。私は「またお友達を誘って参加してね」と話しました。
今春に発表されたスポーツ基本計画で、障がい者の週1回以上運動する割合を40%以上にと目標を掲げています。夢伝のような場が全国に広がればいいと思います。
(共同通信/2017年5月1日配信)
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